《MUMEI》 俺が寝ている間‥那加はずっと、窓の外を見ていたらしい。 「──おやつ一緒に食べる?」 那加が、ゼリーの入った器を差し出してきた。 佳代子さんが持って来てくれた物だろう。 「お昼にいっぱい食べたから。日向半分食べて」 「──ぁぁ、分かった」 それにしても‥全然止まないな、雨‥。 止むどころか、ますます酷くなってきているような気がする。 いつになったら止むんだろう。 そう思った時だった。 「──きゃッ!!」 那加が、しがみついてきた。 ‥雷が鳴り出したんだ。 前へ |次へ |
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