《MUMEI》 . 彼女は一瞬押し黙り、それから眉をひそめて「………は?」と声をあげた。 よく理解していないようだったが、俺は彼女を無視し、勝手に話を進めた。 「よし、まずは挨拶からだな!明日、朝イチで中村に声かけろよ?だーいじょうぶ!!女の子に話かけられて嫌がる男はいないって!!」 一気にまくし立てると、天草は気圧されたように、「は、はぁ……」と曖昧に返事をした。 俺は腕を組み、爽やかに笑ってみせる。 「一緒に頑張ろうぜ!」 俺の言葉に、彼女は2、3度瞬いたあと、ちょっとだけ笑った。 …………なんだ、 ちゃんと、笑えるじゃん。 じゅうぶんイケる、イケる。 …………ま、 ボチボチ、やっていきましょーか。 . 前へ |次へ |
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