《MUMEI》

こーちゃんは、ずっと空から目を離さない。





こんなに真剣なこーちゃんの姿を見るのは久し振り‥。





何だか──‥声かけにくいな──。





「みかん」

「──ぇ」





こーちゃん‥?





「ちょっと来てみな?」

「うん‥」





何だろう──。





「───────」





ベランダに出ると、こーちゃんが空の向こうを指差した。





「ほらっあれ──あの雲なんか美味そーじゃねっ?」

「ぇ──」





ぁ‥‥‥。





ほんとだ‥。





何だか、シュークリームみたい──。

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