《MUMEI》 「──ふふっ」 「?」 「ちょっと楽しいかも」 「楽しい‥‥‥?」 効果──あったみたいだ。 「秘密基地の中に似てる」 「秘密基地‥‥‥?」 「覚えてないの? 幼稚園の頃そこで遊んだじゃない」 「ぁ──‥ぁぁ」 ──そうだった。 もうだいぶ行ってないけど──俺と那加は、秘密基地を持っている。 「行ってみたいな──」 「?」 「退院したら、だけどね」 ニコッ、と笑った那加。 「日向も行きたいでしょっ?」 「──ぇ、ぁぁ‥」 「何よその返事〜っ」 「ス‥スイマセンッ‥」 ただ、見とれてただけで‥。 前へ |次へ |
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