《MUMEI》

ゼリーが凍るまでの間、私とこーちゃんは七夕の思い出話をしていた。





「私が小さい頃──こーちゃん毎年肩車して天の河見せてくれたよね」

「おう。あん時のみかんほんとにちっさかったもんな──」

「うん」

「もう肩車はアレだけど──おんぶなら楽勝だな」





その言葉に、私はドキッとした。





「‥‥‥‥‥‥‥」





まともに目を合わせられないでいたら。





こーちゃんが、私の頭に手を置いて笑った。





「結構デカくなったよな、お前──」





──しんみりした顔をしながら、こーちゃんは何だか嬉しそうだった。

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