《MUMEI》

「っし、固まった固まった──」





冷凍庫から、凍ったゼリーを取り出したこーちゃん。





「ほいっ」





私の分を手渡してくれてから、またテーブルに着く。





それから、窓の外を見た。





「何か──曇ってきたなぁ」





心配そうに呟いた、こーちゃん。





「夜までに晴れてくれりゃいいけど‥」





青みがかった瞳に、影が差す。





「大丈夫だよ」





私は、なるべく明るい声で言った。





「今はちょっと曇ってるけど──絶対大丈夫。天気予報でも、夜は晴れるって言ってたでしょ?」

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