《MUMEI》

『桐野?おーい?』

紅葉先生が俺の目の
前で手をヒラヒラさ
せる。


『昼間っからトリッ
プしてないで…片付
けて帰るよ?』


『な、先生?』


『んー何?』


『先生ってさ、奇跡
とか運命って信じる
方?』


俺の質問にきょとん
として顎に手を宛て
て考える先生。


そして…クスッと笑
って話し出した。


『桐野の質問でね、
昔出逢った生意気な
男の子の事…思い出
しちゃった!その子
小学生のクセにね…』

…え?それって、ね
え、それって…


ーーもしかしてーー


『ね、先生?その男
の子の名前ってさ…
秋野優飛って言うん
だよね?』

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