《MUMEI》

陽が落ちて、辺りが暗くなった頃。





──少しずつ、雲が晴れ始めてきた。





「この調子で流れてってくんねーかな──」

「風があるから──もうすぐ晴れるよ」





雲が、向こうへ流れて行く。





私は、それを見つめながら考えていた。





この雲が全部晴れて──星空が見えたら。





その空に、天の河が昇ったら。





願い事をしよう、って。





秘密の願い事──。





──聞いてくれますか?





叶えたい、私の願いを──。

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