《MUMEI》 「───────」 ふと、横を見たら。 こーちゃんがカメラをあちこちに向けて、調子を確かめている所だった。 「っし、準備オッケイ!」 いつシャッタチャンスが訪れてもいいように、万全の態勢。 こういう時のこーちゃんが、一番かっこいい。 「──おっ」 「?」 「晴れたっ」 「──ぁ‥」 ほんとだ──。 綺麗な星空──。 「何だったっけか、天の河挟んで2つ見えんのって──‥えっと‥」 「ベガとアルタイル?」 「お、そーだっ、それだそれっ。撮っとかないとな──それも」 楽しそうに呟いたこーちゃんの目は、何だかキラキラしていた。 前へ |次へ |
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