《MUMEI》 . 訝しい顔をする大介に、俺は笑顔を浮かべて見せる。 「ほら、俺って博愛主義だからー。どんなタイプのコも、ヘーキっつーか」 テキトーに答えると、大介はふぅん…と唸り、それから顎に手を添えて考え込んだ。 「俺も、天草さんのことはよく知らないけど……」 そうやって、大介から聞き出した情報は、 【天草 小町】 同じ学年の文系クラスに所属。成績は中の上(推定)。部活には入っていない。 真面目でおとなしく、特定の友人などはいないのか、いつもひとりでいる。 そして、図書委員。 …………以上だった。 想像出来る内容ばかりで、つまらない。 . 前へ |次へ |
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