《MUMEI》 . …………つーか、 たぶん、チューだけじゃ済まなかったろーな……。 「………そいつらがバカなんだよ。だいたい、中村は硬派で有名なんだから、そんなふうに迫ったら、玉砕するのわかるだろ」 俺が頭を抱えながら呻くと、アイコは「わからない!」と言い、頬を膨らました。 「とにかく、中村くんなんか知らない!わたしに興味ない男なんか、知りたくもない!!」 俺は疲れて、ああそう…とテキトーに相槌を打つ。 アイコに聞いてもムダみたいだ。 ひとり決めして、俺はアイコに礼を言い、立ち去ろうとしたとき、彼女に呼び止められる。 「今日、放課後空いてる?」 アイコがこう尋ねてくるときは、例外なくHの誘いだった。 …………どーも、お盛んで。 ひとのこと、言えないけどさ。 . 前へ |次へ |
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