《MUMEI》 恋歌. 天草はよくわからないという顔をしたが、あまり興味がなかったのか、再び本を眺めはじめた。 俺もそれを覗き込む。 分厚い『コキンワカ』の本には、たくさんの歌が載っていて、そのページの見出しには、『恋歌』と書かれていた。 「…………『コイノウタ』?」 小さな声で読み上げると、天草はハッとして本を両腕で隠した。 俺は赤く染まった天草の顔を見る。 「恋の歌を、読んでるの?」 俺の質問に天草は小さく頷いた。 その、真っ赤な顔を見ていると、 なんだか、落ち着かなくなった。 . 前へ |次へ |
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