《MUMEI》
貸出カードのデータ管理
.


俺はカードに書き込みながら、少し考え、それから思い付いたことも書き加えた。


「……はい、どーぞ」


書き終えると、カードとペンを天草に返す。彼女は受け取ったカードを見つめ、書き漏れがないかチェックし始めた。


そして、眉をひそめて、


俺の顔を見上げる。


素知らぬふりで、なに?と尋ねると、天草はカードを俺に見せながら、言った。


「なんか、電話番号とメールアドレスらしきものが書かれてるんですけど………」


カードには俺のフルネームと、

その下の方に、

俺の字で携帯の番号と、アドレスが書いてある。


無論、俺の番号とアドレスだ。


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