《MUMEI》

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俺はカードを覗き込みながら、ホントだ、と答えた。


「間違えて書いちゃった。大変だ。コレ、個人情報だよね?」


念を押すように尋ねると、天草は戸惑いながら頷く。それを確認してから、俺は言った。


「今さ、個人情報ナンチャラ法っていう法律があって、流出しないようにキチンと管理しないといけないんだよ」


俺の話に天草はわけがわからない、という顔をして、「……そうなんですか」と間の抜けた声で相槌を打った。


そんな彼女の顔を見つめながら、

俺はニッコリした。


「だから、コレは天草さんが責任もって管理してよね」


一瞬の間を置いて、

天草が目を剥く。


「えっ!?なんで!?」


カードを持ってガタガタと椅子から立ち上がる。このままだと、カードを突き返されかねない。

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