《MUMEI》
祐也の父親
「高山頼」

「何だよ、いきなり」


(俺もそう思う)


この話の流れで、忍に突然指名された頼はさすがに動揺していた。


「祐也の母親と結婚の約束をしておきながら、裏切り、自殺の原因を作った祐也の父親を、どう思う?」

「最低だと思う」


頼はきっぱりと答え


他の皆も、深く頷いた。


が…


(何か、嫌な予感がする)


俺は、忍が今までエイミーについて語った事を思い出していた。


(頼と言えば、エイミーだし。でも、まさか…)


ありえないと思った。


「これが、その最低な父親だ」


忍が写真を見せるまでは。


金髪青い目の、誠実そうな、外国人


「…え?」


呆然とする厳と


「嘘だろ!?」


叫ぶ頼を、見るまでは。


志貴・柊・希先輩は、無反応だったが、二人の様子に驚いていた。


(やっぱり、そう、なのか?)


俺が忍を見ると、忍は変わらぬ口調で事実を告げた。


「祐也の父親は、アルフレッド・スコット。

祐也と

頼の恋人・エイミーは





異母兄妹だ。


もし、アルフレッドが当初の予定通り姫華様と結婚していたら、エイミーは産まれていなかった」

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