《MUMEI》 「ぁ‥悪ぃ‥ビックリしたか‥?」 「───────」 「濡れさすつもりはなくてな‥?」 「ふふっ──いいよ、ちょっと暑いなって思ってたから」 「──そー‥か?」 「うん」 私は、水面を見つめながら頷いた。 「私──落ちた事あるよね、こう覗き込んでて──」 「ぁー‥そーだそーだ」 苦笑して、こーちゃんが言った。 「ビクッたよなぁ、あん時は──」 「こーちゃんがすぐ引き上げてくれたから助かったんだよ──」 もし、私独りだったら──どうなっていたか分からない。 だから、こーちゃんには本当に感謝しているんだ。 前へ |次へ |
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