《MUMEI》

「『お返し』‥‥‥」





今のは俺の倍はあった気がするんだけど‥。





──もうそろそろ、いいだろうか。





「──ダメ」





放そうとした腕を、掴まれた。





「まだ離れちゃダメ」

「ぇ──」

「命令」

「ハイッ──」





久し振りだ。




那加の命令──。





「あたしが『もういい』って言うまで離れちゃダメだからね」





念を押すように、那加が言った。





「分かった‥?」

「ハイッ、了解デス」





──もう暫く、このままでいよう。

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