《MUMEI》 二人で呆然としたまま指導室から出た。 ジンが歩きだし、リツも続く。 そしてそのまま言葉も交わさず中庭へ出た。 ジンはぼうっとした青の光を放つ“亀光岩”に座った。 リツは立ったまま岩に寄り掛かる。 「…本当にいたんだな……フルアって」 先に口を開いたのはリツだった。 ジンも頷いて、渡されてからずっと左手に持っていた紙を見つめた。 見た限りは何も記されていない。 「これが、手紙…なんだよな?」 リツの茶色がちの瞳が紙を覗き込む。 ジンはリツを見上げた 「分かるか?」 「…全然。どんな仕掛けなんだ?」 「…まて。今、調べる」 ジンは右手を開き、紙にかざした。 ※ 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |