《MUMEI》

「──遅いッ」

「ぅわッ‥‥‥、?」





‥フェイントだった。





枕は‥‥‥飛んでこなかった。





「‥ビックリした‥」

「あっ、それ!」





那加が、笹に反応した。





「何で笹なんか日向が持ってるの?」

「さっき佳代子さんと会って──」

「ふーん」

「ぁ、これ‥どうぞ」





ジュースを渡して、笹を壁に立て掛ける。





「那加、短冊何色がいい?」

「‥‥‥ピンク」





照れながら言うのが、かなり可愛い。





「何よっ、何笑ってるのよばかぁっ」

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