《MUMEI》

食パンマン専務は、やめていた筈の煙草を手にとり、努めて自らを落ち着かせるように深く吸い込んでいる。



S専務「随分、泥臭いですな…。


…貴方らしくもない…。」



溜め息のように……当てつけのように煙を吐いている。



まるで“役立たず”のレッテルを貼られたかのような、ふて腐れぎみな態度だった…。



S専務「どういう事か説明して下さいませんか?」



A常務「…すまんね……。


…頭脳より、手数とスピードを必要とする仕事に変わったということさ…。」



アンパンマンは手短にフォローを入れ、腕時計をチラリと気にした。



その仕草も“時間が惜しい”という、暗黙のフォローのつもりだった。

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