《MUMEI》

「みかん?」

「──ぇ」





こーちゃんが、私を見ている。





‥どうしよう。





‥心臓が、はち切れそう。





「──暑いか?」

「‥ううん、風があるから──」





この風は、どこまで流れて行くんだろう。





もし、この風が私なら‥君に、気持ちを届ける事が出来るのかな‥。





「みかん」

「‥ぇ」





真剣な、顔。





「相談──乗ってやるぜ‥?」

「‥‥‥‥‥‥‥」





前にも、こーちゃんはそう言って‥私を心配してくれていた。





‥ううん‥。





‥いたんじゃない。





たぶん‥ずっと気にかけてくれているんだ。

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