《MUMEI》 ‥見なきゃ良かった‥。 そう思っても、もう遅い。 「何で見たのよ」 「‥その‥」 つい、好奇心に負けてしまった‥というか‥。 「見せて、日向が書いたのも」 「──ぇ」 「早く」 「ハイッ‥」 慌てて、那加に短冊を手渡す。 そうしたら、 「‥‥‥!?」 那加の目が円くなった。 「同じ‥」 自分が書いた願い事と同じだと気付いて、ホッペタを赤くした。 「な‥何見てるのよ‥」 「可愛いなぁって」 「‥ぅ‥うるさいっ」 そう言った那加のホッペタは、やっぱり赤くなっていた。 前へ |次へ |
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