《MUMEI》 3章 俺の夢──7月7日。 那加は、すっかり意気消沈してしまっている。 「‥やっぱりダメかも」 「まだ分からないぞ? これから晴れるかも‥」 「でも天気予報『曇り』になってたじゃない」 「ぅ‥‥‥それは‥」 確かに、今は曇っている。 だけど、夜には晴れる──かも知れない。 「あーあ‥」 「大丈夫だって。──な?」 「‥うん」 呟いて、那加は空になった紙パックを畳み始めた。 「願い事‥叶うと思う?」 「──ぁぁ」 「‥‥‥‥‥‥‥」 「那加‥?」 「──分かった」 那加が、笑った。 「日向が言うなら信じてあげる」 前へ |次へ |
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