《MUMEI》

──帰る頃には‥もう夕方になっていた。





私は、行きと同じように‥バイクの後ろに跨がって、こーちゃんの腰に両腕を回す。





「‥‥‥‥‥‥‥」





響いてくる、鼓動。





私の方が、ちょっぴり速い。





「おーっ♪」





突然、こーちゃんが歓声を上げた。




「ほらっ、向こう見てみろよっ」

「───────」





言われた通り、海の方を見た。





「──ぁ‥」





綺麗な、夕焼け。





──本当に綺麗。





そしてやっぱり、こーちゃんはカメラを向けていた。

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