《MUMEI》

だんだん‥暗くなってきた。





風が、少しずつひんやりしてくる。





エンジンの音が、風の音に馴染んで静かに聞こえる。





でも相変わらず、私の心臓は煩いままで。





気持ちが、どんどん膨んでくる。





風船が、膨らむみたいに。





どんどん‥膨んで‥膨んで‥‥‥はち切れそうな位に。





──伝えたい。





「──────」





2つの鼓動を聞きながら‥私は、こーちゃんの腰に回している腕に力を込めた。





「──こーちゃん」

「ん‥?」

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