《MUMEI》 変わらない、冷めた心忍の言葉に一番動揺したのは頼で 次に、厳だった。 他の三人 志貴・柊・希先輩は俺の様子を気にかけ 不安げに、俺を見つめていた。 そんな中俺の心は … どこか、冷めていた。 母親の話の時は、確かに動揺した。 それは、母親が也祐の親友で、忍も知っていたからだった。 しかし 母親を裏切った父親 俺の存在を知らず、死んだ父親 エイミーの父親でもある、父親 真実がわかった今でもその存在は、俺にとって (どうでもいい) その一言で片付くものだった。 (それに、おかげて也祐に会えたし) 話を聞く限り、母親は可哀想だと思ったが、俺は自分が不幸だとは どうしても、思えなかった。 「もう、こんな時間か」 忍は俺を見た後、懐中時計で時間を確認した。 「祐也。ここへ行って夕飯もらって来い」 忍は手書きの地図を俺に渡した。 『夕飯なんて…いらない』 俺と忍以外の顔にはそう書いてあったが 「その間にお前が知っている過去を話しておく」 「わかった」 忍の言葉に、俺は会議室を出た。 前へ |次へ |
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