《MUMEI》

那加が恥ずかしがり屋だって事は、よく分かっているつもりだ。





だけど、那加の魅力には敵わない。





──本当に。





「あたしね‥?」

「──ん」

「あたし‥看護師さんになりたいの」

「ぇ‥」





いきなり過ぎて‥ビックリした。





「看護師さんになって、役に立ちたいの」





意思の籠った、ハッキリした口調だった。





「なれるかは‥分かんないけど‥‥‥」

「──なれる」

「っ?」

「那加なら絶対なれる」

「‥分かんないってば」

「俺、応援するから。那加が夢叶えられるように」

「何で日向がそんなに張り切ってるのよ」

「──何でもするって約束しただろ?」

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