《MUMEI》

あれから‥私はこーちゃんと口を利かなくなった。





‥朝起きた時も。





‥学校に行く時も。





‥帰って来た時も。





‥寝る時も。





私は、ずっと押し黙っている。





「みかん、飯ここ置いとくな」





こーちゃんは、必ずご飯をカーテンの側に置いてくれる。





でも私は、あまり食べられない。





全然手を付けない時さえある。





それなのにこーちゃんは、今までと同じように私に色々してくれている。





「気ぃ付けて行って来いよ?」

「‥‥‥‥‥‥‥」





この朝も私は、何も言わずに家を出た。





いつの間にか‥私の心にはポッカリと‥大きな穴が開いていた。

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