《MUMEI》 俺は‥那加の心の傷が、少しでも早く治るように、その為なら何でもするって‥そう思ってきたけど‥。 結局は、何もしてやれてないんじゃないか‥って気がしてきた。 もし、それが出来ているなら、那加は‥5年もここにいなくていいはずだ。 「──‥、?」 「その顔やめなさい」 「ハイッ‥姫サマ‥」 俺が暗くなってどうするんだ。 「──笑っててくれたらそれでいいから」 「‥‥‥ぇ」 「日向が笑ってくれれば、元気になれるから」 「姫サ‥」 「だからその顔やめてってばぁ」 「‥ぁ‥‥‥‥‥」 「命令」 「ハ‥‥‥ハイッ」 了解デス‥。 前へ |次へ |
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