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《MUMEI》 . 言いかけた大介を、『コキンワカ』を開きながら、俺は遮る。 「図書室で借りてきた」 それを聞いた大介は、なにやら納得したような顔をして、ニヤニヤした。俺は大介を睨みながら、なんだよ？と尋ねる。 すると、大介は「べつにぃ〜？？」とわざとらしく言った。 そのとき、アイコも俺たちのところへ近寄ってくる。 「二人で、なにしてるの〜？？」 呑気な声を聞きながら、俺は、読書、と淡々と答える。大介は依然としてニヤニヤしていた。 アイコは机の上に開いてあるコキンワカを覗き込む。 「むずかしそーなの読んでるね」 俺はアイコを無視してページをめくった。大介もアイコを真似して本を見る。 そして、ページを指差した。 「これ、ヤバくない！？」 俺とアイコは自然と大介の指先に注目する。 . 前へ |次へ |
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