《MUMEI》

「‥!?」





こーちゃんが、目を見開いた。





「み‥かん‥、おま‥」

「写真好きなんでしょ‥!? 写真に残せば自分がそこにいたんだって思い出せるんでしょ‥!?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「燃やさないでよ‥」





手が熱いとか、痛いとか‥もう、そんな事はどうでも良くて。





ただ、写真が燃やされる事で‥大切な想い出が消えてしまうような気がして恐かった。





こーちゃんが、こーちゃんじゃなくなってしまうような気がして恐かった。





「みかん‥」

「‥ぇ」

「ごめんな‥」





俯いて‥そう言ったこーちゃんの瞳から‥大粒の雫が、零れ落ちた。

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