《MUMEI》 「──何してんだろな、俺──」 「‥ぇ」 「‥‥‥悪ぃ、ほんとに‥。お前がこんなに火傷しちまう位なら‥俺‥あんな事‥‥‥」 「こーちゃんは悪くないよ」 「‥‥‥‥‥‥‥」 「こーちゃんは悪くない」 この火傷は、私が自分で負ったもの。 私が、勝手に炎に手を突っ込んだ──それだけの事。 「──大事‥だったんだな」 「?」 「こんな写真でも‥‥‥大事だったんだな、お前──」 「『こんな』じゃないよ」 「‥?」 「私には──宝物なんだ」 「‥宝物‥?」 「──うん」 天の河も、青空も、水しぶきも──みんな、私には宝物。 前へ |次へ |
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