《MUMEI》 「──腹、減ったろ? 今何か作ってやっから待っててくれな」 ニッコリ笑って、台所に立つこーちゃん。 その後ろ姿は、何だか少し‥寂しげに、辛そうに見えた。 「───────」 私は、こーちゃんの背中と黒焦げになった写真を交互に見つめながら‥夕方の事を思い出していた。 『ごめんな‥』 あの時、こーちゃんは泣いていた。 今まで、1度だって私の前で涙を見せた事がなかったこーちゃんが‥泣いていた。 あんなこーちゃんを見たのは‥初めてだった。 前へ |次へ |
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