《MUMEI》 ‥私は‥何も知らなかったんだ。 君が‥‥‥どんな気持ちで‥どんな覚悟で‥あの写真を燃やしたのか‥。 何ひとつ‥知らなかったんだ。 「‥‥‥‥‥‥‥」 包帯が巻き付けられた手のひらを見つめて、私は‥何だか泣きたくなった。 ‥ずっと、君の側にいたのに。 誰よりも‥君の近くにいたのに。 私は一体‥君の何を見ていたんだろう‥。 ‥ちゃんと‥謝らなきゃ。 ちゃんと‥。 「‥こーちゃん」 「?」 「──ごめんなさい」 前へ |次へ |
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