《MUMEI》
藤堂忍視点
俺は、また嘘をついた。


旦那様が自殺した理由


祐也が見た夢


祐也の背中の刺青


そして





俺の、祐也に対する本当の気持ち


(刺青に関しては、卒業式終わってから言うにしても…)


残りの三つ


「…無理だな」


俺は、ビジネスホテルのダブルベッドに横になった。


身長のある俺には、シングルでは小さすぎるし、狭い部屋は慣れていないから、部屋はダブルと決めていた。


そんな部屋で俺は、祐也以外の五人の様子を思い浮かべた。


(これで離れていくような連中とは思えないけど…

とりあえず、しばらくは混乱するだろうな)


特に、エイミーの彼氏と、ヘタレ系美形が。


(寝るか)


そうして、喋り疲れた俺は、いつもより早く寝る事にした。


翌朝、俺は祐也に携帯に出なかったのを責められるのだが


それくらいは、予想の範囲内だから、余裕だった。


ちなみに


祐也が買ってきた弁当は、完食した。


(きっと食べたのは俺くらいだろうな)


その予想は


きっと、外れていないと


俺は、確信していた。

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