《MUMEI》

「お前…人形みてぇだな」
「ん〜…は…ぁ///」

気が付くと千晶さんに抱えられ、知らない床…と言ってもさっきと同じような所に仰向けに寝転がらされていて、内側に曲げていた足を蹴られて開かされた。

「ぅ…ぁ///」

心の中では”やめろよ!”と言いたかったが、身体が言う事を聞かない…。

どうなってるんだ…僕…。




「あっ…あ…あぅッ…///」

ふと、僕の隣からも苦しそうな声が聞こえてきた。

首を横に傾けてみると、僕と同じくらいの年代のように見える少年が、上から逞しい人に覆い被さられ苦しげに喘いでいた。

(辛そうだな……僕も同じか…)

「アキラ…気になるか?」

千晶さんは僕の足を掴みながら、横たわっていたその様子をニヤニヤと見下ろしていた。



「んん……ゃ…ぅん///」

視線を合わせずに生返事をしていると、その足を広げられて後ろにローションを塗られ、その部分を指で撫で上げられるとゾクゾクと背筋に電気が走るような感覚がした。

「コレだけで感じてんのか?」

千晶さんはそう言うとフフッと鼻で笑い、僕を見下していた。


…千晶さんのそういう所が嫌いだ。



視線を再び背けていると、今度は乱暴に千晶さんの太い指が入っていった。

「…ぃッ…ん…ぅう///」


このオエッとする冷たい感触も嫌いだ。


でも…今回のは何だか違う。

千晶さんの指の動きをいつもより鋭敏に感じてしまう。

まるで身体にそこだけしか存在してないような気がして…怖い…気持ち悪い…けど…。


それがだんだん心地よくなっていく…。


「ぁん…んっ…ぅん///」
「今日はいつもよりイイ声だな」

千晶さんの肩をギュッと掴んで拒否してるつもりなのに、僕の手はいつの間にかその逞しい腕を撫でていて、それに自分でもビックリした。

僕のお腹にキスしてきた千晶さんの頭をいつもは押し返すのに、今はまるで愛しい人のように、そのツンツンとした髪を撫でていた。


僕は…確実におかしくなっているのかもしれない。
  

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