《MUMEI》

夕方、佳代子さんが戸田先生からの伝言を伝えに来てくれた。





「ぇ、ほんとに‥ほんとにOK出たんですかっ?」

「ええ、ほんとよ。那加ちゃんの気持ち尊重してあげたいって──そう言って下さったの」

「──じゃあ‥」

「行ってもいいの‥?」





そう訊いた俺達に、佳代子さんが頷いた。





「だから──」

「やったぁ♪」





那加が、飛び上がった。





「日向っ、浴衣忘れないでね?」

「ぁぁ、分かってる」





午後辺り──探しに行って来ようかな。





夏祭は明後日だ。





準備は早い方がいいよな。

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