《MUMEI》 なるべく火傷を濡さないようにしてシャワーを浴びて、パジャマに着替えた。 髪を乾かすのも忘れて夜空を見つめていると、こーちゃんが、濡れた髪をタオルで拭きながらベランダに出て来た。 「おーっ、今日の星綺麗だなぁ」 早速、星々をカメラに納めるこーちゃん。 「お前──髪乾かさなくて大丈夫なのか? 風邪引くぞ?」 「自然乾燥──なんちゃって。‥?」 「っし、乾かしてやっか──久し振りに──」 「ぇ」 ポカンとしていると、こーちゃんが部屋に戻ってドライヤーのコードを窓際のコンセントに繋いだ。 そして、 「ほら、ここ座りな」 私を、自分の前に座らせた。 前へ |次へ |
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