《MUMEI》 ──ふわり。 体が、浮くような感じがした。 私を包み込んでいる、温もり。 涼しい風が、流れてくる。 ──私‥こーちゃんに抱き抱えられているんだ。 こーちゃんは‥私をベッドに運んでくれようとしているんだ。 ──自分で行くよ──そう言いたいのに、口が動かない。 体も、動かない。 今にも眠ってしまいそうで‥私はこーちゃんの両腕に収まっているしかない。 少しして‥私は、ベッドに寝かされた。 けど、こーちゃんは‥まだ私の側から離れようとしない。 優しく──髪を撫でてくる。 「──ミツカ──」 私の名前を、囁く声が聞こえた。 『みかん』じゃなくて、『ミツカ』って‥。 前へ |次へ |
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