《MUMEI》

「帯──ちゃんとなってる?」

「ぁぁ」





那加‥独りで着たのか‥。





「何時頃行く?」

「少し時間ずらした方がいいかもな‥。みんな行く時間だとあれだろ‥?」

「‥うん‥」

「8時位なら空いてると思うんだけど──」

「分かった」





コクッ、と頷いた那加。





「でも、それまであたしずっとこの格好‥?」

「‥着替えるの‥ちょっと早かったかもな‥」

「〜〜〜‥」

「──ぁ」

「何‥?」

「神輿行列来たぞ、ほら」

「ゎ‥」





那加が、窓から身を乗り出した。





「──凄〜い‥」

「ちょっ‥待て那加‥そんなに乗り出したら‥」

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