《MUMEI》

「? ──きゃっ、ちょっと!」

「危ないから‥」





落ちたらかなり大変だし‥。





「はーなーしーてーよっ、大丈夫だってばっ」

「ぃゃ、一応‥」

「一応とかそういうのいいからっ。放してよ早く〜ッ」





ジタバタしてはいるけど、本気で放して欲しいって訳じゃなさそうだ。





もしそうなら、とっくに俺は引き離されているだろうから。





「──日向、担いだ事あったよね」

「?」

「ほら、1回あったじゃない。小4の夏休みに」

「ぁぁ──‥」





そういえば、あった。





そんな事も──。

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