《MUMEI》

「ぁ、そーいやさっき──何か言いかけてなかったか? お前」

「‥ぁ‥‥‥うん、あのね‥?」

「おう♪」

「『みかん』って──どうしてこの渾名付けたの?」

「一番──お前に似合う色だから」

「ぇ‥?」

「虹の7色。そん中で、お前に一番似合う色が──」

「‥オレンジ‥?」

「おう、オレンジって──みかん色だろ? だから『みかん』ってな」

「───────」

「お前は何で『こーちゃん』にしたんだ?」

「──ぇ」





何で‥『こーちゃん』にしたか‥。





「親しみ易いかな、って。嫌‥かな──」

「いんや?」

「そう‥?」





訊き返したら、こーちゃんが──ポンッと私の頭に手を置いた。





「言ったろ? 『こーちゃんでも何でも好きに呼びな』って」

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