《MUMEI》

──夕暮れの道。





もう7時を過ぎているのに、まだ結構明るい。





「今年もあれやってっかな、ぽっぽ焼き──」

「──こーちゃん、あれ好きだよね──」

「みかんはわたあめだろっ?」

「──うん」

「ぁー何か腹減ってきた──‥。っし、飛ばすぞ☆」

「ゎ‥ちょっとこーちゃんっ」





私は、グイグイ引っ張られて‥転ばないように付いて行くのに必死だった。





──しっかりと握られた、手。





どうしようもない位に熱くて、でも‥離したくない。





君の手を──離したくない。

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