《MUMEI》

──屋台の明かりが見えてきた。





「‥‥‥‥‥‥‥」





那加が立ち止まる。





ここまでが‥限界みたいだ。





「‥帰る」





引き返そうとする那加。





その腕を、反射的に掴んでいた。





「何‥?」





振り向いた顔が、暗い。





「帰ろう、日向」

「待てって」

「‥何でよ」





振り払おうとする那加を、何とか引き止める。





「ちょっと待ってろ」





そう言って、俺は屋台の方に走った。

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