《MUMEI》 ──本当に、誰もいない。 俺達2人だけだ。 「ほら、日向も座って」 「ぁ──ハイ」 いつの間にか、那加が仕切っている。 「お囃子まだ聞こえるね」 「ぁぁ」 ここからでも聞こえる。 「来年は行けるかな。ちゃんと‥」 「春には退院出来るはずだしな」 「うん‥」 頷いて、わたあめをかじる那加。 「甘い‥」 ──幸せそうな顔。 と‥思ったら。 「‥っ‥‥‥」 「那加っ‥? おい!? え!?」 前へ |次へ |
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