《MUMEI》

ジンが説明を始める。

「物体を見ることができるのは目に入った光を瞳の組織…まあ、主に水晶体だな。そいつがうまく屈折させて」


「うわ…すげぇ」
球体の中のリツの目元が拡大され、内部組織が透ける。



「それが網膜に映し出されて視神経を伝わり脳へ信号が送られるからで…わかるな?」


「ああ。今、分かった」



ジンはまたも小さく溜め息を吐いて、続けた。


「…でも」

F's LIGHTを操作する。


「あ。」

球体に四角い物体を見つめるリツが映り、その横に鏡が現れる。




「物体の側(そば)に、鏡のように光を極端に屈折させる物体を置くと、数が増えて見えるだろ。」

球体の中のリツの周り、様々な角度に鏡が現れる。

それにつれて、四角い物体も二つ四つ八つ、と無数に増えていった。

「その応用さ。光屈折の角度とそこに入り込む粒子の状況をうまく組み換えれば、対象物を見えなくすることも可能なんだ。」

球体の中の鏡が再び動き、四角い物体がパッと消えた。

その中のリツは戸惑った様子で、キョロキョロと辺りを見回していた。

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