《MUMEI》

「ス‥スイマセンッ‥」





これで転んでいたら‥かなりまずい事になっていた。





「──‥」





ぼんやりばかりしていられないな‥。





「ねぇ、帰ったらまた何か食べよ?」

「ぁ‥‥‥わたあめだけじゃ足りなかったよな‥」

「足りたけど‥‥‥日向といるとお腹空くの」





そのセリフに、笑ってしまった。





「な‥何よっ、笑わないでよっ」

「ぅあっ‥ちょっ、那加、暴れるなって‥!」





──祭より、賑やかかも知れない。





「ほーらっ、早く帰ろ?」

「──ぁぁ」





そう答えた俺は、わたあめみたいにふわふわした気分だった。

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