《MUMEI》

‥おかしいよ‥。





こーちゃんは‥やりたくて不良をやっていた訳じゃないのに‥。





それに‥。





何でこーちゃんばかり言われるの‥?





他にも‥沢山いたはずなのに‥。





「みかんっ、ヨーヨー売ってんぞっ」

「──何で」

「?」

「何で平気でいられるの‥!? 好き勝手言われて悔しくないの‥!?」

「ま、それなりの事しちまったからな──」

「私は悔しいよ‥」

「みかん‥?」

「だってこーちゃんはっ‥、──ぇ」





──手。





こーちゃんの手が、私の頭に乗っている。





「──あんがとな、みかん」

「───────」





私は‥何もしていない。





君の為に‥何もしてあげられない‥‥‥。





何かしてあげたいよ‥。





君の為に‥‥‥。

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