《MUMEI》 5章 黄色い花あれから、夏祭の余韻に浸る暇もない位‥俺は那加に振り回されていた。 今日はアイスを買いに行ったついでに──少し寄り道をして来た。 那加に、ちょっとしたプレゼントを買いに。 「──ゎ、向日葵!」 俺が病室に入るなり、那加が歓声を上げた。 「すっごい! どうしたのそれっ」 「帰りに花屋寄って来たんだ」 「──わぁ‥」 花束を受け取った那加の顔が、ぱぁっと輝く。 「ほらっ、ひまちゃん──ひまちゃんと同じ名前の花♪」 ──本当に、嬉しそうだ。 前へ |次へ |
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