《MUMEI》 「あら、綺麗な向日葵──」 「日向がねっ、買って来てくれたの♪」 様子を見に来てくれた佳代子さんに、ニコニコしながら話す那加。 「綺麗でしょ?」 「ええ。──大丈夫?」 「ぇ」 「お腹痛くなったりとか──」 「うんっ、大丈夫」 元気な返事を聞いて、佳代子さんも安心したみたいだった。 「じゃあ、また夕食の時間に」 ──また、2人っきりになった。 「ひなたぁ」 「──ん」 「溶けちゃうよ?」 「‥‥‥ぇ」 アイスの存在を、すっかり忘れていた。 前へ |次へ |
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